其の一
「鹿之園」は(The deer park)ルイ15世サルタンがフランス絶対王政の国風をかけてヴェルサイユ宮殿の一部に設けたLe parc aux cerfsからとったもので、現在もこの王室が残っている。
これはルイ15世の候妃壁妾とフランス王国の隅々から集められた美姫が、洗練された手練手管を競い、国内、国外の官僚大使等を招き、絢爛と、淫蕩のかぎりをつくした史上最大の歓楽郷であった。この放蕩三昧の、純潔と美徳の谷間である館から、美服と香水で飾りたて、技巧と誘惑のすべてを習得して、美徳と悪徳を社会に持ち帰った女が、マダムと名づけられた起源である。


其の二
お釈迦様がお生まれになったルンビニー園(現在はネパール国領に入っている)と悟りをひらかれたブタガヤ、そして初めて法論をつたえられた、緑と湖と花で囲まれたサルナート、即ち仏教で言う鹿野苑(ろくやおん)である。これを鹿之園としたのです。